ABテストとは？誰でも使える重要な分析手法を解説

はじめに

ビジネスを行う上で、どのようにすればより効果的な戦略を立てることができるかを考えることは重要です。そのためには、正しいデータを元に意思決定を行うことが必要です。今回は、その中でも特に重要な分析手法の1つである「ABテスト」について解説します。

ABテストとは？

ABテストとは、2つの要素（例えば、Webサイトの2つのバージョン）をランダムに分けて、どちらがより効果的であるのかを比較する方法です。1つを「Aバージョン」、もう1つを「Bバージョン」と呼びます。このテストを行うことで、どちらのバージョンがより多くのクリックやコンバージョンを生み出すかを調べ、より良いバージョンを採用することができます。

例えば、あるECサイトの商品ページにおいて、ボタンの色を変更してどちらがより多くの購入数を生み出すかを知りたいとします。この場合、AバージョンとBバージョンをランダムに設定し、どちらのバージョンがより多くの購入数を生み出すかを比較することができます。

ABテストの方法

ABテストを行うには、以下のような手順が必要です。

1. 目的を決める

まず、何をテストするのかを決めます。例えば、ボタンの色を変えることで、より多くのクリックが得られるのかを調べるといった具体的な目的を設定します。

2. 変数を設定する

次に、テストする要素（変数）を決めます。例えば、ボタンの色を赤と青の2色に変える場合、色が変数です。

3. ランダムに分ける

AバージョンとBバージョンに分けるために、ランダムに訪問者を分けます。ランダムに分けることで、偏りのない比較ができます。

4. 効果を測定する

AバージョンとBバージョンを実際に比較し、どちらがより効果的かを測定します。例えば、クリック数やコンバージョン数などを比較することができます。

5. 結果を分析する

最後に、結果を分析し、どちらのバージョンがより効果的であったかを判断します。そして、効果的であったバージョンを採用します。

ABテストの汎用的なツール

ABテストを行うためには、Web解析ツールやマーケティングツールを使用することができます。代表的なツールには、Google AnalyticsやOptimizelyがあります。

これらのツールを使用することで、ABテストの手順を自動化することができます。また、ツールによっては、分析や結果の可視化が簡単に行えるため、効率的なABテストが可能となります。

条件を満たすABテストの方法

ABテストを行う際には、以下の条件を満たすことが重要です。

変数を絞り込む

ABテストでは、テストする要素（変数）を1つに絞り込むことが重要です。変数を複数設定すると、比較が複雑化し、結果を判断するのが難しくなります。

ランダムに分ける

AバージョンとBバージョンに分けるためには、ランダムに訪問者を分ける必要があります。ランダムに分けることで、偏りのない比較ができます。

効果を明確にする

ABテストを行う目的は、より効果的な要素を見つけることです。そのため、何を効果的とするかを明確にすることが必要です。例えば、クリック数、コンバージョン数、売上などです。

これらの条件をクリアすることで、適切なABテストを行うことができます。

ABテストの例

ボタンの色

先ほどの例で挙げた、ECサイトの商品ページのボタンの色を変更するABテストについて、具体的に見ていきましょう。

まず、AバージョンとBバージョンに分けるために、ランダムに訪問者を分けます。次に、Aバージョンではボタンの色を赤に、Bバージョンでは青に変更します。

その後、AバージョンとBバージョンを比較し、どちらがより多くの購入数を生み出すかを測定します。例えば、1週間の期間で、Aバージョンが1000回クリックされ、そのうち50回が購入につながったとします。一方、Bバージョンは900回クリックされ、そのうち70回が購入につながったとします。

この結果から、Bバージョンの方がより多くの購入数を生み出すと判断し、Bバージョンを採用することになります。

タイトルの変更

もう1つの例として、あるニュースサイトのトップページにおいて、記事のタイトルのフォントサイズを変更するABテストを考えてみましょう。

まず、AバージョンとBバージョンに分けるために、ランダムに訪問者を分けます。次に、Aバージョンでは記事タイトルのフォントサイズを14px、Bバージョンでは18pxに変更します。

その後、AバージョンとBバージョンを比較し、どちらがより多くのクリック数を生み出すかを測定します。例えば、1週間の期間で、Aバージョンが10000回クリックされ、そのうち500回が記事を読んだとします。一方、Bバージョンは12000回クリックされ、そのうち600回が記事を読んだとします。

この結果から、Bバージョンの方がより多くのクリック数を生み出し、より多くの人々に記事を読んでもらえる可能性が高いと判断し、Bバージョンを採用することになります。

ランディングページのレイアウト

ABテストは、ECサイトやニュースサイト以外のウェブページにも適用することができます。例えば、ある企業のランディングページにおいて、タイトルの位置を変更するABテストを考えてみましょう。

まず、AバージョンとBバージョンに分けるために、ランダムに訪問者を分けます。次に、Aバージョンではタイトルをページの上部に配置し、Bバージョンではページの中央に配置します。

その後、AバージョンとBバージョンを比較し、どちらがより多くのコンバージョンを生み出すかを測定します。例えば、1週間の期間で、Aバージョンが1000回訪問され、そのうち100回がコンバージョンにつながったとします。一方、Bバージョンは900回訪問され、そのうち120回がコンバージョンにつながったとします。

この結果から、Bバージョンの方がより多くのコンバージョンを生み出し、Bバージョンを採用することになります。